自宅を新築する時、掃除機の収納にと作った階段下収納。
ところが、数年経った階段下収納は物があふれ、掃除機が入れられない。
こんなはずではなかった、思い切って片付けたいという方へ、実は、3つのポイントをおさえるだけで、階段下収納をよみがえらせることができる。
階段下収納の活用法、3つのポイントを紹介しよう。
「理想の暮らし」をイメージしてから階段下収納の活用法を実践しよう
たった3つのポイントで、我が家のあの階段下収納がよみがえるの?どんな活用法だろう、早く知りたい!・・・と、気持ちがはやるかもしれませんが、その前に、ちょっと一呼吸して、「理想の暮らし」をイメージしてみましょう。
「理想の暮らし」=到達点・目標。
家族がリビングでくつろげるようにしたい、仕事から疲れて帰宅したときにホッと一息つけるような空間にしたい、などなど。
こんな風に暮らせたらいいな、というイメージを頭の片隅に描いたり、どこかに書き出してみましょう。
理想の空間に近い写真が雑誌などに掲載されていたら、切り抜いてみるのもいいですね。
もし、特に理想がない場合は、「今、不満に思っていること」を挙げてみましょう。
というのも、不満の裏には、「こうありたい!」という願望が隠れています。
例えば、掃除機がしまえなくて困る⇒廊下に出たままだと人が来たときに恥ずかしい⇒いつでも人を呼べる家にしたい、という具合に。
あなたの理想とする暮らしはどんな暮らしですか?
スッキリした家になったら、何をしたいですか?
階段下収納の活用法を実践し片付けを進める途中で、手が止まりそうになった時は、目指す理想の暮らしや、スッキリした家でやりたいことを思い出して、頑張りましょう。
場所の特徴を知ろう・・階段下収納だからこそ、この活用法が効果的
ところで、そもそも階段下収納にはどんな特徴があるのでしょうか。
住宅では納戸という呼び方をすることが多いかもしれません。階段下のデッドスペースの有効な活用法です。
玄関に近ければ下駄箱に入りきらない靴箱を置く、洗面・脱衣所に近ければそこで使う消耗品をしまう、あるいは、缶ビールなどのストック品を入れるなど、重宝します。
階段下収納は奥に行く程天井が低くなったりしますが、本来なら、ある程度の広さもあり、掃除機やシーズンオフの扇風機などをざっくりしまうのにも便利な収納スペースです。
しかし、反面、この広さや便利さがあだになることも!
新築後6年経ったあるお宅の階段下収納は、いつしか不用品をとりあえず入れておく場所になり、今では物が溢れそうで、奥に何が入っているか思い出せないし、取り出せない、入れたい物が入れられない状況に。
こうなるとまさにブラックホール状態~。
活用法どころか、ますます片付けがおっくうになってしまう、階段下収納は、要注意の収納場所でもあるのです。
確か、この奥にあったはずだけど・・・、出せないからしょうがないと安易に新しい物を買う、悪循環で物が増え、余分な出費も増える。
また、他の部屋は片付いているが、階段下収納だけがこんな状態であることがずっと気がかりで、子供にも、「お客様来ているときには開けちゃダメ」と言い聞かせていたり、「よその人には階段下収納のことを話しちゃダメ」と口止めしたり、という人もいます。
これでは、子供自身のセルフイメージも下がり、意欲や成長に悪影響を及ぼします。
これらのお悩みも、階段下収納の活用法の3つのポイントである、
- 全部出す
- 分ける
- 配置する
を順番通りに実践すれば、解決できます。
そして、さらにうれしい効果として、
・物が増えないように=在庫管理、買い物習慣の改善ができる
・余分な出費を減らす=経済的効果
・探し物の時間が減る=時短効果
・気がかりがなくなる=心理的、精神的効果
なども期待できます。
なお、階段下収納の活用法を実践する際に、たった一つだけ守ってほしいことがあります。
それは、3つのポイントを必ず1から順番に実践するいうことです。
これは、とても重要です。
なぜ、順番を守らなければいけないのか、理由は以下でご説明しますが、決して、1と2を同時進行で進めようと、されませんように。
それでは、階段下収納の活用法、3つのポイントをご紹介しましょう。
1 全部出す・・・一気に全部出して、階段下収納を空っぽに!・・この活用法の最大のポイントです!
階段下収納の活用法、1つ目のポイントは「全部出す」です。
えっ、全部出すのー?いらない物だけ出せばいいんじゃないの?という声が聞こえそうですね。
ちなみに私も昔はそう思っていましたが、整理の方法について学んで、全部出すことの効果を知りました。
そうはいっても、何年も手をつけてない階段下収納です。いきなり出し始めるのではなく、準備してから取り掛かります。
事前の準備として、
・粗大ごみや混合ゴミの出し方、収集の日程を確認しておきましょう。
・リサイクルショップの情報も調べておけば、なおいいかもしれません。
・片付けする日は、できれば他の予定を入れないでおきます。
・手伝いを頼める人(家族など)がいたらお願いしておきましょう。
当日は、昼食の段取りと夕食の準備は朝のうちに済ませ、階段下収納の近くの部屋などに、出した物を置くスペースを確保します。
大きなビニールシートがあれば敷いてもいいです。
あっ!今もしかして、まずはビニールシートを買おうと思われました?
ビニールシートがあれば、ですので、このためだけに、新たに買わなくてもいいですよ!!
ちなみに、整理について学ぶ前の私モミジは、こんな時は何も考えずにすぐ買いに走っていましたが、”すぐ買う=物が増える=片付かない”です!!
買わずに他の物で代用するよう工夫するか、カーペットの床ならそのままでもいいでしょう。
準備ができたら、階段下収納の活用法、その1「全部出す」、いよいよスタートです。
出した物はビニールシートの上に、おおよそ種類別に置きます。
例えば、空箱がいくつも出てきたら、まとめて置きましょう。
出す時は、何も考えずに、さっささっさと、機械的に出して並べましょう。
ひたすら、全部、一気に階段下収納から出すと、思った以上に量が多くて驚かれるかと思います。
全部出して、物の多さに気付くことこそが、この階段下収納の活用法のねらいです。そのために、一気に出すのです。
ここで注意したいのは、ひたすら一気に出すだけに集中することです。
片付けが苦手な方や、整理の方法をまだ知らない方は、「出す」と「分ける」を同時に、つまり、ひとつずつ出しながらその場で分けようとされます。
その結果、時間ばかりかかって進まず、気づいたら時間がない、今日はしょうがないと、結局出した物をまたとりあえず元の場所へ戻して終わり、となりかねません。
要注意です。
階段下収納の活用法での、整理のポイントは、「まずは、全部出す」です。
全部出し終わったら、階段下収納の中はさっと掃除しておきましょう。
2 分ける・・・階段下収納の活用法、要となる分け方とは?
さて、次に、出した物を分けますが、階段下収納の活用法、2つ目のポイントは、その分け方です。
分け方の基本は、次の3つです。
「使っている」
「使ってない」
「思い出品」
ひとつずつ手に取って、この3つのどれかに分けてゆきます。
その際、「使っている」の目安は、過去1年間に使ったもの~この先1年間位の間に使う予定があるものとします。
あまり時間をかけずに、2,3秒程度で判断します。
判断に迷うときは、手伝ってくれている家族にも聞いて、分けましょう。
この階段下収納の活用法での分け方で注意してほしいことがあります。
それは、「自分や家族」が、使っているか、使ってないかという点で分けること。
「物」が、まだ使えるか、もう使えないか、ではありません。
また、引っ越した当時の、開けてない段ボール箱が出てきたら、それが、共有品か、ご主人のか、子供のものか、により、以下のとおり対応します。
・共有品の段ボール箱であれば、必ず開けて中身を全部出して分けます。
・ご主人の段ボール箱の場合、この階段下収納の活用法に理解を示し、協力的な方ならいいですが、そうでない場合は、決して全部出しを無理強いされませんように。
世のご主人方の中には、奥様が片付けを始めると、自分の物が次々と捨てられてしまう、と危惧され、頑なになっている方もいらっしゃいます。
段ボール箱1個程度であれば、ご主人の気持ちも尊重して、ご主人の「思い出品」としておきましょう。
・子供の持ち物が入った段ボール箱の場合、整理の方法を学ぶ絶好のチャンスです。
その場では無理でも、日を改めて、全部出して分けるを、見守りながらやらせてみましょう。
「使ってない」物のうち、明らかな不用品は分別して出せるように、リサイクルショップへ売るなら、持ち込む日をメモして、別にしておきます。
ただし、家族の物については、不用品と思われても、本人に確認してからにしましょう。
もし、取っておいてほしいと言われたら、それは、家族の「思い出品」かもしれません。
また、子供が小さい時に使っていた物は、親にとっての「思い出品」だったりしますので、そちらへ分類します。
「思い出品」は、まとめて箱などへ入れておきます。(思い出品は、手に取って見始めると、すぐ時間が経ってしまいますので、今回は分けてまとめるだけにしましょう。)
使ってないがすぐ処分できない物は、「保留」とし、メモに6ヶ月後の日付で「〇月〇日に判断」と書いてその物に貼って、どこか目立つ所に置きましょう。
併せて自分の予定表にも6ヶ月後の予定として入れ、忘れずに判断します。
「使っている」物は、更に使用頻度別に、毎日~週1回使うもの、月1回使うもの、季節ごと、年1回使うものなど、おおよそ分けておきましょう。
ただし、在庫数が多すぎるものは、使う場面も想定しながら、数も絞り込みます。
ちなみに私もかつては空箱を大量にため込み、階段下収納の活用法どころか足を踏み入れることができない状態にしてしまったことがありましたが、全部出して、空箱の状態を見ながら、使う場面や自分の好みで、数を減らし、棚に収まる量にしました。
あわせて、階段下収納ではなく、他の場所へ移動した方がよい物は移動しましょう。「思い出品」も、家族の各自の収納スペースに保管するか、階段下収納に保管するかを決めます。
一般的に「整理する」というのは、この階段下収納の活用法の1つ目「全部出す」と2つ目「分ける」を順番に実践することを言います。
ここまで整理が進むと、階段下収納に収めたい物がはっきりしてきましたね。そうそう、掃除機も忘れずに。
3 配置する・・・いきなり収納しません。まずは仮に配置するのが、階段下収納の活用法の重要ポイントです。
最後に、階段下収納へ物を配置します。そうです、この階段下収納の活用法、3つのポイントの最後は、収納ではなく「配置する」なのです。
なぜ? 整理が済んだのだから、すぐ収納すればいいのにと思われるかもしれませんが、収納の前に「配置」を考える理由は、以下のとおりです。
収納とは、使う物を収めることです。
使う物が使いたいときにいつでもその場所にあるという状態をキープするためには、使った後、元に戻しやすい場所に配置されていることがとても重要です。
なぜなら、人は使うときには必要に迫られているので、必ず収納場所まで取りに行きますよね。
ところが、使い終わると、用が済んでいる。
つまり、元へ戻すという行為は、必要に迫られていない。
だから、置きっぱなしにして収納場所に戻さず、その辺にちょい置きして、結果、次に使いたい時にあるべき場所になくて、探すことになったりします。
ですので、階段下収納の活用法、3つのポイントを生かし、使った後、戻しやすい場所、配置を考えておけば、元に戻すことを習慣にできるのです。
また、使用頻度の高いもの、よく使うものを、取り出しやすく、戻しやすい場所に配置することも大切です。
年に1回使うものであれば、掃除機の奥に置いてあっても我慢できるかもしれませんが、毎日~週1回使うというように使用頻度の高いものほど、使った後、階段下収納の扉を開ければすぐ戻せることが、階段下収納の活用法の「配置」のポイントなのです。
もし、造り付けの棚がある場合は、まずはそこへ配置します。
毎日~週1回使う物は、棚の中段(肩から腰位の高さ)へ配置します。
右手で扉を開け、左手でさっと取り出せる、使い終わったらさっと戻せる、が理想です。
子供が取り出すもの(お手伝いしてほしいもの)は子供の背の高さでに合わせて肩より下に、重さも子供が持てる分ずつ分かれていれば、喜んでお手伝いしてくれます。
これも、階段下収納の活用法のうれしい効果ですね。
なお、使用頻度が高くても重い物は下の方へ配置します。
また、ストック品などは、仮にこの棚に乗る分だけ、と限度を決めます。
靴箱には、中身の靴の特徴をメモするか、または靴の写真を撮って貼るなどして、いちいち手に取って開けなくてもほしい靴がすぐわかるようにしておきます。
仮配置は、新しい収納用品は買わずに、家にあるもので代用・仮置きします。
そして、仮配置の場所が決まったら、メンディングテープなどでラベリングし、仮配置で1~2週間暮らしてみて、ストック品の減り方や、家族の意見や、家族の動きも観察してみて、必要なら微修正して、最終的な収納場所を決めるというのが、階段下収納の活用法の最終形です。
ここまでやった上で、どうしても新たな収納用品が必要な場合は、この段階で、置く場所の寸法をきっちり測ってから買いに行きましょう。
その際、扉(開き戸、引き戸、折れ戸)を開けたときの寸法も測ることで、例えば、引き出しを開けると扉に引っかかるというようなストレスを減らすことができます。
ただし、階段下収納の活用法としては、空間の大きさを生かしたいですね。
細かく区切り過ぎると、入れる物のサイズが変わったときに入らなくなったりしますので、収納用品を選ぶ際の参考にしてください。
階段下収納の活用法でよみがえった後、この使いやすさ維持するには?
階段下収納の活用法を実践して、見違えるほど使いやすくなった階段下収納。このまま使いやすく維持するためには、時々見直しましょう。
例えば、ラベリングした場所に家族が戻してくれない、と気づいたら、見直しのチャンスです。
観察して、戻せない原因がわかったら、改善してみる、置き場所を変えて、また、仮配置です。
家族には「〇〇はこっちの方が戻しやすそうだから、変えたから、ここへ戻してね」とお願いしましょう。
また、今までなかった物が置かれていた場合は、「ここじゃないでしょ!」と言う前に、想像してみましょう。
階段下収納の活用法を実践したおかげで、スペースに余裕ができたので、もしかしたら、いままで入れたかったけれど入れられなかった物を置いたのかもしれません。
だとすれば、他の物をちょっと配置換えして場所を作り、新たな仲間として、ラベリングし、定位置にしてあげましょう。
逆に、階段下収納にまだストック品があるのに、家族が買ってきて他の場所にも同じものが置かれていた場合は、相談して、使う場所も考慮して、どちらか一か所にまとめて在庫管理しましょう。
片付けは主婦だけの仕事ではありません。
片付けは使った人の仕事です。
主婦の仕事は、家族が元に戻しやすい収納システムを作ることです。
階段下収納の活用法、3つのポイントを利用して、家族の気持ちを考え、家族優先に収納システムを作ることが、結局は、使いやすい収納を維持する近道なのです。
まとめ
理想の暮らしをイメージしてから、階段下収納の活用法、3つのポイントを実践しましょう。
1~3を順番どおりに行います。
事前準備して、時間とスペースを確保してから、
- 全部出す・・・一気に全部出して、階段下収納を空っぽにして掃除します。
- 分ける・・・使っている、使ってない、思い出品 の3つを基本に
さらに使っている物は、使用頻度別にも分けるのが、ここでの階段下収納の活用法のポイントです。 - 配置する・・・いきなり収納しないのが、この階段下収納の活用法の特徴です。使っている物を使用頻度の高い物から戻しやすい位置に仮配置し、ラベリング、しばらく暮らしてみて、配置の場所を決定します。
この段階まできて、収納用品が必要となったら、置き場所の寸法を測ってから購入します。
そして、よみがえった階段下収納を、活用法を生かし維持していくには、気づいたときに、見直します。
家族の様子も見ながら、使いやすい収納システムに改善してゆきましょう。